カードローンの返済を延滞した際の流れと返せない場合の対処法

カードローンで融資を受けたら、翌月以降から返済をしていきます。返済遅延・延滞・未払いだけは、必ず避けなくてはなりません。
返済日に残高が足りなかったり、入金を忘れたりしないようにしましょう。また、必ず返済ができるように、あらかじめその分のお金は用意しておく必要があります。
万が一、返済に遅れてしまうと、返済日の翌日から、遅延損害金という罰金のようなものが発生します。そのほか、返済に遅れたという記録が残ってしまい、今後受けるあらゆる審査に影響を与えるのです。
今回は、カードローンの返済遅延をしてしまうリスクや、払えない場合の対処法について解説します。
カードローンの返済を延滞したときの流れ
カードローンの返済に遅れてしまうと、その商品を提供している金融機関から督促を受けます。金融機関にもよっても異なりますが、返済に遅れた翌日もしくは数日後から督促があるのです。
「少しぐらいの返済遅れなら大丈夫だろう」と思わず、必ず連絡に出るようにしてください。督促の連絡を無視していると、問題が大きくなります。
仮に金融機関からの連絡に出られないのであれば、こちらから折り返し連絡をしましょう。返済の遅れは、一日でも早く解決するのが望ましいと言えます。
連絡が取れない場合、金融機関は段階的に対応をしていきます。
- 電話連絡で督促
- 自宅電話で督促
- はがき・郵送物で督促
- 勤務先の電話で督促
- 自宅への取り立て
1.電話連絡で督促
金融機関にもよりますが、一般的には電話での督促が最初に行われます。カードローンの申し込みをした際に、ご自身の連絡先を登録したはずです。多くの方は連絡先をご自身の携帯電話にしていると思いますが、まずはそちらに連絡がきます。
督促といっても、厳しいというものではなく、「いつ返済ができそうなのか」という質問のようなものです。急かすような対応はせず、丁寧に対応してくれます。
電話連絡を無視していると、決められた時間に何度も連絡がかかってきます。法律により、夜9時~朝8時の間は連絡をするのが禁じられているため、夜間には連絡がありません。
2.自宅電話で督促
利用者のメインの連絡先(携帯電話)に繋がらないとなると、自宅の固定電話に連絡がかかってきます。自宅に固定電話がない人は、こちらの工程は省かれます。
携帯電話と同様に、決められた時間の範囲で何度もかかってきます。自宅へ電話をする際は、個人名でかかってくると覚えておいてください。
こちらはお金を借りている人以外に迷惑をかけたり、借金をしている事実を周知したりすることが法律で禁止されているためです。
3.はがき・郵送物で督促
携帯電話に何度も連絡があったのにもかかわらず、無視を続けていた場合は、申し込み時に記載した住居に督促のはがき・封書が届きます。
このはがきや封書に関しては、家族や同居人に借入の事実が知らないような工夫がなされています。封書の外側からは、カードローン名を記載せず、延滞の事実もわかりません。
ただし、封書の中身を開くと「カードローンの延滞をしている」という内容が記載されているため、周囲に知られてしまうでしょう。
4.勤務先の電話で督促
携帯電話や自宅の固定電話での督促、さらにははがきや封書での督促があったのにも関わらず、無視をしていた場合は勤務先へ連絡が来る可能性があります。
基本的にいきなり勤務先へは連絡は来ません。正当な理由がなく、勤務先に電話するのが禁止されているからです。しかし、度重なる電話や封書での督促をしたのにも関わらず、連絡が取れないとなると、それが正当な理由になります。
督促の手段は段階的になっていますが、それが実行される期間というのは、金融機関によっても異なります。場合によっては、封書の郵送後すぐにかかってくるケースもあるのでご注意ください。
5.自宅への取り立て
金融機関からの督促を長期で放置していると、自宅への取り立てが行われます。正当な理由がない限り、自宅への訪問は禁止されていますが、電話や封書での連絡が取れない場合は、それが正当な理由になるのです。
なお、自宅への取り立ては、金融機関によって行うかどうかが異なります。場合によっては、自宅への訪問を省き、裁判の申し立てとなる金融機関もあるのです。訴えられた場合は、財産(主に給料)が差し押さえされる可能性もあります。
なお、金融機関が債権回収会社に委託をして、自宅への取り立てをする場合があります。ただ、こちらの債権回収会社も、金融機関と同様に定められた法律のもと債権回収を行います。夜間の連絡や、生活に支障が出るほどの連絡は行われません。
カードローンの返済が遅れると遅延損害金が発生する
カードローンの返済に遅れると、遅延損害金というものが発生します。これは返済に遅れたことに対する「罰金」のようなものです。返済日の翌日から、遅れた分だけ発生します。
遅延損害金というのは、一般的に「遅延利率」というものをもとに算出します。カードローンを提供する会社ごとに、遅延利率は異なるので確認してみましょう。
■遅延損害金=借入残高×遅延利率÷365日×延滞日数
遅延損害金は上記のように算出できます。借入金額が多い方は少額借入の方と比較して、1日ごとに、遅れると発生する金額が大きくなるので、より注意が必要です。
遅延損害金の相場は各社20%程度
カードローンに設定されている遅延利率は、金融機関ごとに異なります。傾向としては、通常の金利よりも高い数値が設定されるのです。ただし、原則20.0%を超えることはありません。こちらは法律で定められています。
商品 | 適用金利 | 遅延利率 |
---|---|---|
アコム | 3.0%~18.0% | 20.00% |
プロミス | 4.5%~17.8% | 20.00% |
アイフル | 3.0%~18.0% | 20.00% |
SMBCモビット | 3.00%~18.00% | 20.00% |
レイクALSA | 4.5%~18.0% | 20.00% |
三井住友銀行カードローン | 4.0%~14.5% | 19.94% |
みずほ銀行カードローン | 2.0%~14.0% | 19.90% |
オリックス銀行カードローン | 1.7%~17.8% | 借入利率+2.1% |
楽天銀行スーパーローン | 1.9%~14.5% | 19.90% |
上記は知名度の高いカードローンの適用金利と遅延損害金です。どの金融機関もほぼ20.00%に相当する遅延利率を設定しています。低金利で融資を受けている方でも、返済に遅れてしまえば高金利が適用されるのです。
遅延損害金は具体的にいくら支払う?
実際に遅延損害金はどれくらい支払うのか、あらかじめ確認しておくことが大切です。遅延損害金の算出方法に則って、計算してみましょう。
以下では、借入30万円、遅延利率20.0%、延滞日30日として遅延損害金を出してみました。
借入金額×遅延利率÷365×延滞日数=遅延損害金
30万円×20.0%÷365日×30日=4,931円
上記のように、遅延損害金だけで5,000円ほどの支払いが生じます。この遅延損害金は、当初支払うはずだった返済額に上乗せされます。
仮に、借入額30万円に対する最低返済額が月12,000円とすると、それに遅延損害金4,931円を加えた、16,931円を返済することになります。
遅延損害金を支払うタイミング
遅延損害金を支払うタイミングは、次回支払いをするタイミングです。返済に遅延してしまった場合は督促の電話が来ますが、その際にいつ返済をするのか相談をしましょう。担当者と相談をした返済をする日に、遅延損害金も返済します。
基本的には即時入金としている金融機関が多いのですが、場合によっては、翌月の決まった返済日に遅延損害金が引き落としとされるケースもあります。
すぐに支払いを済ませる場合は、ご自身の引き落とし口座、もしくは、金融機関の専用口座に振込を行います。金融機関によって返済方法は異なるので、電話で確認をしましょう。
カードローンで延滞をすると信用情報に傷がつく
カードローンの返済に延滞をしてしまうと、個人信用情報に傷がついてしまいます。信用情報とは、個人のお金に関する取引履歴です。
あなたがどこのカードローンを利用してるか、またどこのクレジットカードを利用しているかという情報が登録されます。この情報に「返済に遅れた」という記録が残されてしまうと、今後の生活に支障をきたす恐れがあるのです。
信用情報に傷が付くと審査に影響が出る
信用情報に傷がついてしまうと(遅れたという記録が残されると)、ローンやクレジットカード、賃貸契約といった審査に影響が出てしまいます。
これらの会社も、申し込み者が問題なく返済または支払いができるのかを見極めるため、信用情報を確認するのです。
もし返済に遅れたという記録が残されていると、審査を行う会社は「返済や支払い能力に欠ける人物」と判断を行い、契約を断るのです。
遅延が長引くと「延滞」となり信用情報に傷がつく
返済の遅れにも度合いがあります。この度合いによって、どれほど他の審査に影響があるのか異なるのです。
もちろん返済遅延は1日でも避けるべきですが、具体的な目安として、61日または3ヶ月の遅れがあるとリスクは拡大します。この期間、返済の遅れをしてしまうと「延滞」という記録が、信用情報に残されるのです。
この延滞という記録は、金融機関の目線で言うと、いわば「要注意人物」と示すマークのようなものです。延滞という記録があると、金融機関は契約をするのはリスクがあるとして、審査で否決をします。
銀行の場合は延滞でなく代位弁済となる
審査に影響が出る「延滞」になる目安として、61日または3カ月と挙げられますが、銀行カードローンにおいては当てはまらない場合があります。
銀行によって異なるため一概には言えませんが、1カ月~2カ月の遅れで、信用情報に傷がつきます。銀行は審査を保証会社に委託しており、仮に利用者が返済できない場合は、補償を受けられるのです。
この場合、保証会社が銀行にお金を支払い、利用者からお金を回収することになります。この一連の手続きを「代位弁済(だいいべんさい)」と呼び、これも信用情報の傷となるのです。
信用情報の傷は一定期間消えることがない
一度、延滞や代位弁済といった信用情報の傷がついてしまうと、5年間はその情報が消えることはありません。
これは信用情報を登録している機関が定めているものであり、どんな金額、どこのカードローン会社でも5年は消えないのです。
その期間は、クレジットカードやカードローンといった、審査がある商品に申し込みをしても断られてしまうでしょう。
信用情報に傷があるか確認することもできる
カードローンの返済で遅延をしてしまい、信用情報に「延滞」と登録されたかもしれない。このように不安を感じている方は、信用情報を確認することができます。
信用情報を保管している、信用情報機関に情報の開示請求をすることで、ご自身の情報を確認できるのです。
信用情報は、CIC・JICC・KSCと全部で3種類あり、それぞれ加盟しているカードローン会社は異なります。信用情報機関の公式サイトから、加盟している会社を検索できるので、ご自身が利用してるカードローン会社があるか調べてみましょう。
金融機関からの督促の連絡は必ず対応しましょう
カードローンの返済に遅延してしまったとしても、督促の連絡に出るようにしてください。どんなに日中仕事で忙しい場合でも、必ず折り返し電話をするようにしましょう。
返済に遅れてしまうと、1日ごとに遅延損害金が発生するため、できるだけ早く問題を解決するように心がけてください。
1日~数日遅れると督促が来る
督促の連絡は、返済日から1日または数日遅れるときます。連絡に対応すると、「いつなら支払えるのか」また「いくらなら支払えるのか」といった点を質問されるため答えましょう。
そのほか、今回払えなかった理由なども問われる場合もあるため、誠実に対応してください。この督促の連絡に対して、誠実に対応するかどうかで今後の流れが変わってきます。
督促の電話自体はとても丁寧な対応ですが、連絡をたびたび無視したり、誠実さに欠ける態度をとったりしていると、相談ができず適切な解決策を見いだせなくなるでしょう。
遅延中は利用ができなくなる可能性
カードローンの返済に遅れてしまうと、それまで借入ができていたものが利用停止になってしまいます。一般的には返済に遅れた翌日から。場合によっては、数日後に利用できなくなるのです。
カードローンの返済が完了するまでは利用できませんが、督促の電話に対して態度を悪くせず、まずは担当者の支持に従いましょう。
カードローンの延滞に対する対処法
カードローンの返済に遅れる事態は、なんとしてでも避けるべきです。仮に遅れている状態であれば、すぐに解消をするべきでしょう。
返済に遅れてしまうと、遅延損害金が発生してしまうため、さらに損をしてしまいます。加えて、信用情報に傷が付くリスクもあるため、慎重に対処するべきでしょう。
返済日前に払えないと分かった場合
返済日の前に、支払いができないと分かった場合は、早急に対応を図るべきです。なんとかして返済分のお金を用意しましょう。
用意ができない場合は、カードローン会社に連絡をして相談をしてください。連絡をすることでカードローンの担当者と解決策を考えていきましょう。
借り換えを検討してみましょう
どうしても返済日までにお金を用意できない場合は、借り換えを検討してみてはいかがでしょうか。
別のカードローンに申し込みをして、そこで借りたお金で返済をしましょう。新たに借りたお金は、翌月以降に返済をしていくため、1カ月分の猶予が生まれるわけです。
もし低金利のカードローンと契約できたら、今後はそちらに切り替えることで利息を節約できます。また、カードローンの中には、始めの30日間利息がかからないものもあるので、活用を検討してみましょう。
相談で利息のみの返済にしてもらいましょう
どうしても決定した返済額を支払いできないという場合は、すぐにカードローン会社へ相談をしてください。
カードローン会社にもよりますが、相談をすることで、利息のみの支払いとしてくれる場合があります。繰り返し滞納をしている利用者でない限りは、相談に乗ってもらえるでしょう。
返済ができないということで、なかなか言いづらいことかもしれませんが、支払えない状況を放置するよりもまだ良いと言えるでしょう。
返済日を過ぎてしまった場合
返済が行われないまま返済日を過ぎてしまったという場合も、すぐさまカードローン会社に相談をするのが良いでしょう。
毎月ATMで振り込みの返済をしていた場合は、連絡後に入金しましょう。自動引き落としで毎月引き落としがされていた場合は、すぐに口座にお金を移して引き落としがされるのを待ってください。
基本的に、残高のお金が足りないと返済は実行されません。返済日後に、カードが利用停止になっていた場合は、この引き落としがされていないケースも考えられるので確認してみてください。
お金がない場合
カードローンの返済に遅れた理由が、入金忘れでも、手元にお金がない場合も、まずはカードローン会社に連絡をしてください。
連絡をして、いつ、いくら支払うのかを決めましょう。手元にお金がない場合は、翌月に伸ばすケースが多いため、来月のお給料を返済に充てられます。その分をお金は残しておくように注意しましょう。
それでも厳しいという人は、不用品を売ったり、友人から一時的にお金を借りたりして、対処することを検討してみてください。
まとめ
カードローンの返済に延滞してしまうと、さまざまなリスクが発生します。返済日の翌日から遅延損害金という罰金というようなモノが発生して、次回返済をする際にあわせて支払わなくてはなりません。
そのほか、返済の遅れは信用情報に傷が付くので注意してください。61日以上もしくは3カ月以上の返済の遅れをすると、「延滞」という情報が登録されてしまうのです。
信用情報にそのような記録が残ってしまうと、他の審査の際に、「返済に遅れる人物」だとみなされてしまう可能性があり、その場合は審査に落ちてしまいます。
カードローンの返済日を過ぎてしまうと、督促の連絡があります。督促の連絡といっても丁寧なもので、相談をして今後の対応を考えていきます。
ただし、督促の連絡を無視していると、カードローン会社は取るべき対処を取ります。電話連絡だけでなく、郵送物を送ったり、場合によっては自宅へ訪問したりすることもあるのです。カードローンの返済に遅れそうな場合は、早めに連絡をして、担当者の方と相談をしましょう。